メイプルはツヤのある豊かな低域と中高域とのバランスを保って、幅広い音域を実現する硬質な木材であり、現在、最も採用されているドラムシェル素材のひとつ。 そのキメの細かさと滑らかで均一な質感は、シースルー木目仕上げでは優れたキャンバスにもなりうる。

繊細で均一な質感と真っすぐな木目を持つバーチは、その強度と弾力性でよく知られている。 そのことによりシェル振動のスムーズな伝達を実現し、より高い周波数の増大を生み出す。 これにより、小口径タムタムにとって最適なインナー材となり、さらにバーチならではの高密度な"セルネットワーク"は、中域に完璧なバランスをもたらし、低音域から中音域へのスムーズなつながりを実現する。

アフリカンマホガニーは比較的柔らかい広葉樹で、ドラムにおける低い周波数帯を劇的に強調する。 この低域をブーストする効果は、高密な"セルネットワーク"によるものと言われ、低周波数帯に自然な共振を促している。 パワフルな低音と優れたレスポンスを発揮することにより、とりわけ大口径タムタムとバスドラムに用いるシェル材としてふさわしく、ミッドレンジへのスムーズなつながりを得るための最適なウッド素材ともなる。

パールが永年スタンダードとして採用している45°ベアリングエッジは、シェルの外側から2プライ目にあたるタテ目の部分に頂点が設定され、外側、内側に対して45度の傾斜でカットされている。エッジの先端には若干の丸みを与え、ワックスを塗り込みコルクでなじませるという、地味ながらも実に手間をかけた作業を行なうことにより、ドラムヘッドとのコンタクトを著しく向上させ、チューニングの精度を限りなく引き上げている。あらゆるドラムヘッドに柔軟に対応し、ボリューム、レスポンス、レゾナンス(鳴り)のファクター間に究極のサウンドバランスが生まれることにより、幅広いレンジでさまざまなチューニングを可能にしている。

パールでは、リファレンスのドラムに2タイプのラウンドエッジを設定し、音域によるレスポンスの違いを的確にとらえた。 8"から 13"のタムタムは、45° ハーフラウンドタイプで、シェル外側のラウンド部分でヘッドに接し、内側はシャープにカットされ、アタックとパンチの増大、そして抜けの良さを実現し、とりわけ高中音域でのすばやいレスポンスを引き出すことに貢献している。

リファレンスに採用されたラウンドタイプのベアリングエッジは、ドラムの歴史をさかのぼれば見ることのできる、ヴィンテージスタイルともいえるもの。14"以上のタムタム、フロアタム、バスドラムには“フルラウンド”タイプを採用し、ヘッドとより幅広い面積でしなやかに接することにより、アタックからシェルへ最大限のエネルギー伝達が可能になり、強烈なパンチと幅広くローエンドのレスポンスを発揮する。これにより聴感上と同様の音圧を実現してバスドラムや大口径のタムタム、フロアタムが圧倒的なパワーを放つことに貢献する。

ラグナットが遊動(スィーベル)タイプのラグを装備し、テンションボルトをフープ接地面と同じ角度(垂直方向)に受け止めて、ボルトの回転の際に限りなく不要な抵抗を軽減させる効果を発揮。

クローム、ニッケル、ゴールドメッキ、ブラッククローム、ブラックニッケルフィニッシュから選択可能（※ニッケル、ゴールド、ブラッククローム、ブラックニッケルフィニッシュはオプション対応）

バスドラムフックには、ラッカーフィニッシュフープでのキズ防止のためにラバークッションが装備されており、均一なテンションによる安定したチューニングを実現。 テンションボルトは、フックにぴったりと収まり、チューニング時以外の不要な回転を防止している。
 

フロアタムブラケット(LB-200)とメモリーロックを組み合わせて、フロアタムの高さや打面の角度を自在に調整でき、エアサスペンションラバーチップによりフロアタムの共鳴を最大限に引き出す。 これらの大型ラバーチップは、床の多種多様な条件とフロアタムのセッティング角度を考慮してフレキシブルな対応ができ、さらに床との干渉によるサステインの過度な減衰を防ぐことが可能。 

タムタムの4ヶ所のラグナットにラバークッションを通じて固定し、タムタム本体を吊り下げることによって、フープやテンションボルトに負担をかけることなくタムタムの自然な鳴りを引き出す。

サウンドを引き締め、シェルの特性をよりフォーカスさせるダイカスト製のフープ

バスドラムスパーは、演奏時の激しいフットワークによるズレや揺れを回避し、安定したセッティングを得るため、可動式の大型ラバーチップを備えており、必要に応じてスパイク(剣先)を引き出し、カーペット等の表面に食い込ませて使用することも可能。